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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

な山の向側にたどりつき、不思議な黄金の国を発見したのだという事を、少年達にわからせました。そして、そこには、鎧や兜ばかりでなく、大きな石の建物の中に、沢山の金のかたまりが、しまいこんであるということを、又別の絵をかいて示しました。

そうして、話を聞いているうちに、少年達にも、それがまんざらうそではないらしく感じられて来るのです。ヘンリーの恐しいほど真剣な顔、驚くほど熱心な身ぶり手真似を見ていますと、けっして夢の話や童話ではなくて、なんだかほんとうのことのように思われて来るのです。

湖水のむこう岸にそびえる、高い高い岩山、まるでこの世の果かとも見えるあの鋸山のうしろに、ひょっとしたら、そんな不思議な世界が隠されているのではないか、金色に光りかがやく宝の国があるのではないかと思うと、少年達は、楽しいような怖いような、なんともいえない気持になって、ゾーッと背筋が寒くなるのでした。

ヘンリーは、少年達がまだ疑っているらしい様子を見て、何を思ったのか、左手のシャツの袖をグッとめくり上げ、そこにはめていた金色の腕環をぬきとって、哲雄君に手渡し、「これが何よりの証拠だ」