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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

というような身ぶりをして見せました。そして、又手帳をひらいて、さっきの白髪の老人が、その腕環をヘンリーに手渡している図をかくのでした。

つまり、その腕環は、老人が黄金の国から持ち帰ったお土産の一つで、それをヘンリーが老人からもらったのだという意味です。

それは、全体が蛇の姿に彫刻してある、何ともいえぬ妙な感じの腕環でした。まるで子供がいたずらでもしたような、あらけずりの下手な彫刻ですが、それでいて、グッと鎌首をもたげた蛇の頭が、いきいきとして、今にも動き出しそうに見えるのです。

少年達は、それを次から次と手に持って、しらべてみましたが、キラキラ光る美しい色といい、重さといい、いかにもほんとうの金製品らしく思われるのです。

哲雄君は、ふと思いついて、その腕環をかるく指にかけ、小石を拾って、たたいてみましたが、すると、リーンというような、なんともいえぬ美しい音色がします。ほんとうの金でなくては、そんな音がするはずはないのです。

ヘンリーは、哲雄君のかしこいやり方を見て、ニッコリ笑いました。そして、「その腕環は君達にあげるのだよ」という手真似をして見せるのでした。