轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
星だ! 星だ!
しかし、漕いでも漕いでも、行手にはかすかな光さえ見えませんでした。どこまで行っても闇なのです。果しもない、大きな大きな闇の世界なのです。
漕いでいるうちに、腹がへって来ますので、三人は代りあって、食事をしました。その食事がもう二度もくりかえされたのです。時計がないので、よくはわかりませんけれど、漕ぎだしてから、たっぷり半日以上もたったように思われます。それでも、あたりには少しの変りもありません。やっぱり幾重にも幾重にも重なった闇が、三人をしっかりと包んでいるのです。
星だ! 星だ!
みなさん、もし私たちに目というものが無かったら、世の中が、どんなに淋しく、たよりないものでしょう。世界中がかぎりもない真暗闇なのです。木でも花でも、戸でも障子でも、机でも、お父さまやお母さまやお友だちでさえも、色や形で見ることは出来ないのです。ただ、手でさわってみて、そういうものがあるということがわかるだけなのです。
一郎君、保君、哲雄君の三少年は、今ちょうど、そういう目のない世界にいるのもおなじことでした。三人は決してめくらになったのではありません。目はちゃんとありながら、何も見えなくなってしまったのです。