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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

すると、王様の顔に浮かんでいた驚きの色はますます濃くなり、左右にならぶ武士達の間にも、びっくりしたようなざわめきが起りました。

少年たちは、どうしてみんなが、こんなに驚いているのかと、うす気味悪く思っている内に、とつぜん思いもよらぬことがおこりました。王様が椅子から立って、ツカツカと三人の前に近づいてこられたのです。そして、少年たちの手をとるようにして、壇の上につれもどり、自分の椅子のそばへ三人を立たせたではありませんか。

それから、王様があたりを見まわして、おごそかに、何かいいますと、いならぶ臣下たちは、一人のこらず床にひざまずいて、三人の少年に向かって、例の神様をおがむような恰好をして、しばらくは頭を上げるものもありませんでした。

その時は、少年たちは狐にばかされたような気持で、何が何だかわかりませんでしたが、あとになって、この土人の国の言葉がわかるようになってから、聞いたところによりますと、王様をはじめ武士達に、三人がこれほどの驚きをあたえ、尊敬をうけたのには、もっともなわけがあったのです。

その一つは、一郎君が何か棒のようなものの先から、火と煙を出して、まるで魔法のように鰐をうち殺したことです。