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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
あとで聞いたところによりますと、そのはるか川下の、山のむこうには、人食人種の大きな部落があって、その野蛮人が、この国の穀物や黄金をうばい取ろうとして、時々攻めのぼって来るので、それをふせぐために、強い軍隊が必要となり、武術をみがくことが盛んになって、王様をはじめ武士たちが、鎧や兜に身をかためているというわけでした。
さて、一通り国内の見物がおわりますと、三人は宮殿の中の一室をあてがわれ、いつの間にこしらえたのか、皆と同じような黄金の兜と鎧とサンダルまで、ちゃんと用意してあって、三人はそれを身につけることになりました。そして、れっきとした黄金国の一員となったわけです。
それから、この国の言葉の勉強がはじまりました。黄金国の大臣というような、位の高い人のお嬢さんが、毎日三人の部屋に来て、言葉を教えてくれるのです。身分が高いだけあって、これが土人の娘かと疑われるほど、美しい可愛らしいお嬢さんで、教え方もなかなか上手だったものですから、三月もすると、大体この国の言葉が話せるほどに進歩しました。
さて、言葉が通じるようになるのをまって、いよいよ三人に重い役目がさずけられることになったのです。