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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

哲雄君はそんな乱暴なまねをして、いったい何をしようというのでしょう。

しかし、こわすといっても、たたきつぶすのではなくて、まるで機械を分解するように、金具やレンズになるべく傷をつけないように、ときほごして行くのですから、なかなかめんどうな仕事で、一方の筒がバラバラになるまでには、三十分あまりもかかりました。

哲雄君は、そうしてときほごした筒の中から、一枚の凸レンズをえり出して、それを大切そうに手ににぎり、洞窟の外へ出て行きました。

洞窟の近くの砂浜には、午前の日光がまぶしく照りつけています。哲雄君は、きのう野蛮人のやり方で火を作ろうとした時に使った、枯草や木のけずりくずなどを拾って、ギラギラと白く光っている砂の上の一ところに集めました。

読者諸君、哲雄君はそれからどんなことをしたと思いますか。もうおわかりでしょう。そうです。哲雄君はその枯草の上に、双眼鏡から取出して来た凸レンズをかざして、太陽の光が、枯草のまん中に焦点をむすぶようにして、そのまましんぼうづよく、じっと手を動かさないでいたのです。

読者諸君は、凸レンズを太陽にあてれば、その焦点が物を焼く力のあることを、よくごぞんじでしょう。