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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

闇の中の綱渡

そして、あたりが靄でもかかったように、ぼんやりして、それがだんだん暗くなって、地の底へでも落ちこんで行くような気がしたかと思うと、そのあとはもう、何が何だか少しもわからなくなってしまいました。

つまり、三人が揃いも揃って、居眠をはじめたのです。はじめは椅子にかけたままコクリコクリやっていましたが、やがて、次々と椅子からすべり落ち、床の上にグッタリとなって、鼾さえ立てはじめました。

「ウフフフフフフ、うまく行ったぞ。眠薬の利目は恐しいもんだな。だが、食料品積みこみのついでに、こんな可愛い子供が三人とは、悪くない獲物だぞ。これで又一もうけ出来るというもんだ」

水夫長と名のる男は、そんな恐しいことをつぶやきながら、薄気味悪くにやにやと笑って、そっと部屋を出ると、外からドアをしめて、カチンと鍵をかけてしまいました。

闇の中の綱渡

琴野一郎君は、なんともいえない恐しい夢を見つづけていました。その夢のおしまいには、真暗なところに一人ぼっちで立っていますと、帆船の舳についていた、あの木彫の怪物が、耳までさけた口をひらいて、一郎君にとびかかって来るのです。そして、肩のところを、ガブッと食いついたものですから、「ワッ」