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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
「すてきすてき、やっぱりパンの木だったね。これでもうお米がなくても大丈夫だ。あの木なら、この間から方々で見かけたよ。森の中にいくらだってあるんだよ」
食いしんぼうの保君が、うれしそうにおどり上って言うのでした。
たべ物の方はこの大発見で、もう心配はなくなりましたが、まだほかに、たべものよりはもっと大切な仕事があったのです。それは夜のともし火のことでした。
夜、まっくらな中で寝るのはかまいませんが、いざという時、いつでも火が燃やせるように、火の種を用意しておかなければなりません。凸レンズで火をつくることは出来ても、それは太陽が出ていなくてはだめなのですから、夜の間や、雨の日、曇の日のために、どんな小さな火でも、たえず燃やしておかなければならないのです。
はじめは、洞窟の前で焚火をして、夜も昼もそれを燃やしつづけて置くことにしましたが、それにはたれか一人、いつも番をしていて、火が消えないようにしなければならないので、夜も寝ずの番がいるわけで、ひどく不便です。それに洞窟の外で、一人ぼっちで火の番をしているなんて、心細くてしかたがありません。
「僕たちの手で蝋燭を作ることが出来ればいいんだがなあ」