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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
推古時代における仏教受容の仕方について「思想」1922(大正11)年7月<br>仏像の相好についての一考察「思想」1922(大正11)年5月<br>『万葉集』の歌と『古今集』の歌との相違について「思想」1922(大正11)年8月<br>お伽噺としての『竹取物語』「思想」1922(大正11)年11月<br>『枕草紙』について「思想」1922(大正11)年9月<br>『枕草紙』の原典批評についての提案「思想」1922(大正11)年9月<br>『源氏物語』について「思想」1922(大正11)年12月<br>「もののあはれ」について「思想」1922(大正11)年10月<br>歌舞伎劇についての一考察「思想」1922(大正11)年4月
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白鳳天平の彫刻と『万葉』の短歌
一
しかしながら彫刻における写実的傾向が結局姿を超越せる理想によって支配せらるるごとく、建築における合理性もまた非合理的なる根元によって支配せられているのを拒むことはできない。最奥の根柢には依然として精神の直接的表現の要求があり、それに導かれて偶然にもこの合理的な傾向が択び出されたにほかならぬであろう。それは右のごとき構造の必然性が恐らく自覚せられてはいなかったこと、従って日本の建築家がこの点を重んぜず随意にこの伝統を離れて再び推古建築と同じき立場に帰ったこと、などによって察せられる。従ってこれらの建築の様式の最奥の根柢は、そこに直接に現われんとする精神内容に求めなくてはならないであろう。
右のごとき考察によって、天平美術の様式の最奥の根柢はこれを天平時代の精神に求めなくてはならぬと思う。そうしてこれは思想史、文芸史、政治史等の研究と相俟ち、究極の総合的研究によって明らかにさるべきものと思う。
白鳳天平の彫刻と『万葉』の短歌
一
推古時代から弘仁時代へかけての仏教美術、特にその最盛期としての天平時代の造形美術が、「外来のもの」であって日本人固有の心生活の表現ではない、ということは、一般に説かれているところである。