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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
推古時代における仏教受容の仕方について「思想」1922(大正11)年7月<br>仏像の相好についての一考察「思想」1922(大正11)年5月<br>『万葉集』の歌と『古今集』の歌との相違について「思想」1922(大正11)年8月<br>お伽噺としての『竹取物語』「思想」1922(大正11)年11月<br>『枕草紙』について「思想」1922(大正11)年9月<br>『枕草紙』の原典批評についての提案「思想」1922(大正11)年9月<br>『源氏物語』について「思想」1922(大正11)年12月<br>「もののあはれ」について「思想」1922(大正11)年10月<br>歌舞伎劇についての一考察「思想」1922(大正11)年4月
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の物語はかくして発生したのである。かくのごとき自覚において、単に権力ではなくして権威が要求せられたということは、皇統の絶えんとするに当たって大伴の金村らのなした努力にも明らかに現われていると思う。
この変化は西方文化の刺激によって原始的な信仰の直接さがようやく破れ始めたことにも起因するであろう。祭事が政治となり、宗教と政治との区別がやや自覚されるに至ったのは、西方の知識の輸入と平行した出来事である。この点において帰化漢人が「まつりごと」の意義の変化に有力な刺激を与えたことは認めざるを得ないであろう。しかもこの時期の末には、宗教として高度に発達した仏教が旺然として流れ込んで来る。それが自然人の心情に適合した仕方でのみ受け容れられたとしても、それによって古来の祭事がその宗教としての位置をはなはだしく狭められたということは必然の勢いであろう。原始的な祭事において直接に明らかであった「まつりごと」の目的は、その祭事と引き離された「政治」において、今や新しくその意義を獲得し、その内容を深めなくてはならない。
中央集権がほぼ完成し、西方の文化の摂取がきわめて活発となった推古時代において、我々はこの新しき意味における政治の理想が「憲法」