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にっき
日記
宮本 百合子
20 一九三六年(昭和十一年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 15,424 字 · 32 页
四月十五日
四月十六日
「いきの構造」
「科学の詩人ファブルの一生」
ストリンドベルグ「海辺の漁夫」
四月十五日(水曜)
○春の外苑の風景。
いろいろな樹がみんな芽をふくらませているので、空は茶っぽい緑の点、点、点で描かれているような眺め。
◎緑郎が服部正の作品発表会で、自作の「インターメッツォ」を初めて公表した。かえりに、礼服姿の緑郎、咲、国、病院へよった。十一時すぎかえり。C、ふくれて、むずかしい顔をしている。
○国府津へこの土曜日曜に林町の連中ゆきたい由。
○市次郎、お寺にたのまれ、明治大帝、大正天皇の御位牌を寺にもって来るに費用300円出してくれと云って来た由。100出したその話、市次郎の顔。
〔欄外に〕
曇っているが心持よい午後になった。
○栄さんと外苑を散歩。金髪に茶の服をつけたイギリス人の小さい男の子とその女中。女中が英語で子供にものを云うとき、首のふりかたなど外国的エキスプレッションで、それを自覚しているところ。
四月十六日(木曜)
○繁治さんの「諷刺随筆」というもの、なかなか面白し。重治のは機智で書く。鶴のは文学的興味で。繁さんは、性格が内向的故、一種のかくされたユーモアがこういう文章の中に却って滲み出すものと思われる。