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にっき

日記

宮本 百合子

20 一九三六年(昭和十一年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 15,424 字 · 32 页

青空文庫

九月二十九日

九月三十日

十月二日

十月三日

平常のくつろぎを示さず、もっと抵抗を示していたが、却って病気になり、どこか力をぬいて感情の方面ではバランスをとり戻し、ラクにしている。よいと思う。

九月二十九日

「面会。」私がもう上林へ行ってしまったものと思っていた故、咲枝でも面会に来たと思ったらしく、そういう顔つきで窓があいたが、私を見て、スーと眼が大きくなり、上体に力が入り、いつも私を見る眼つきになった。うれしかった。

九月三十日(水曜)

『時事』に「落ちたままのネジ」を書いた(三回)。

十月二日(金曜)

曇天だが、上林へ栄さんと立って来た。

紀さん上野へ送って来てくれる。稲子さんも昨晩からとまり、二人眠らず話していたので、汽車にのったら、眠って眠って長野へ近づくまで殆どちっとも外を見ず。上林へついたら雨。

あら、雨で却っていいね

二人でボーとなる。

〔欄外に〕

紀さんの剃りたての蒼白い顔とちぢれた髪と黒い目の光。会社員のタイプ

十月三日(土曜)

雨。

小やみに桜並木を上の方へ行って見た。不動様の杜アリ

つき当りがもう杉林、谷川が流れ落ちて来ている。

机をこしらえて貰う、3.50

エボタの油の匂い

十月八日(木曜)