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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

さて、お話は飛んで、そのあくる朝のことです。寒さはきびしいけれど、よく晴れた日曜日でした。朝ごはんの時、お父さんがゆうべの謎はとけたかとおたずねになりますと、一太郎君はニコニコ笑って、「ええ、今に水で火をもやして見せます」と、さも自信ありげに答えましたが、やがて、ごはんがすんでしばらくしますと、庭の方で、何だかパチパチとたき火でもしているような音がきこえはじめました。

それに気づいて、お父さんとお祖父さんとが、縁側に出てごらんになりますと、一太郎君が庭の真中に落葉をあつめて、たき火をしていることがわかりました。

「一太郎、えらいぞ。うまく謎をといたね」

「ええ、これで火をもやしつけたんですよ」

一太郎君が大声に答えて、右手でつまんでさし出したものを見ますと、それは、さしわたし八センチほどの、大きな眼鏡の玉の形をした氷のかたまりでした。

「僕、ゆうべあれからいっしょうけんめいに考えていると、すっかり謎がとけちゃったんです。水で火をつくるのには、水を凸レンズの形にこおらせて、それで太陽の火をとればいいんだということがわかったのです。

ゆうべお父さんがお椀に三分の一の水っておっしゃったでしょう。