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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

「ふーむ、なるほど、一太郎は小発明家というわけだね。それじゃ一つ、眼鏡のお礼に、何か御褒美を出さなくてはなるまいな」

お祖父さんも、一太郎君の頭をなでながら、目を細くして、おっしゃるのでした。

それ以来、明石君のお家では、この針の穴の軽便眼鏡に「一太郎の眼鏡」という名がつけられました。そして、いつとなく、それが学校のお友だちまでに知れて、「一太郎の眼鏡」は、たいへんな人気ものになってしまいました。

みなさんも、古いハガキか何かで「一太郎の眼鏡」を作ってごらんになってはいかがですか。

老眼鏡には直径一ミリぐらいの少し大きい穴がよいのです。針でそんな穴をあけるのがむつかしければ、錐の先を使うのです。そして、読むものを十センチぐらいはなして、その上に明かるい光があたるようにして見るのです。

虫眼鏡に使うには、できるだけ、針の穴を小さくして、物を二センチぐらいに近づけて、明かるい光にあてて、のぞくのです。近眼の方は、眼鏡をとって遠くのものをのぞいてためしてごらんなさい。そうしていろいろ工夫をしてやっているうちには、一太郎君の思いもよらなかったような、おもしろい実験ができるかも知れませんよ。