轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう

本州横断 癇癪徒歩旅行

押川 春浪

「冐險世界 第四卷第拾貳號」博文館、1911(明治44)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,749 字 · 45 页

青空文庫

(一七)山中マゴツキ

「勝手にしろ。山を降りれば何かあるに相違ない。何かに付いて降れば、どこかの村に着に極っている。汝等ごとき懦弱漢はかえって手足纏いだ。帰れ帰れ」と追い帰し、重い荷物は各自分担して、駄馬のごとく、背に負い、八溝山万歳を三呼して廃殿を立ち出でた。

(一七)山中マゴツキ

この時は午前の四時少し過ぎ、東の空は漸く白んで来たようだが、濃霧は四方を立て罩めて、どこの山の姿も分らない。もし濃霧霽れて、東天に太陽の昇るのを見たならば、その絶景はいかばかりだろうと思うが、今日到底その望みはないので、一行は濃霧中に道を捜しつつ山を降って行く。

登る時には長い時間と多くの汗水とを費させた八溝山も、その降る時は頗る早い。しかし降り道も決して楽ではなかった。濃霧は山を降るに随い次第次第に薄くなって、緑の山々も四方に見えるようになったが、道はしばしば草に埋没して見えなくなる。崖の崩れて進むに難い処もある。赤土の道では油断をすると足を掬われて一、二回滑り落、巌石の道では躓いて生爪を剥がす者などもある。その上、虻の押寄せる事甚しく、手や首筋を刺されて閉口閉口。

絶頂から一里ほど降ると、果して急流矢のごとくに走っている。