轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう
本州横断 癇癪徒歩旅行
押川 春浪
「冐險世界 第四卷第拾貳號」博文館、1911(明治44)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,749 字 · 45 页
急流の岸には一軒の水車小屋も淋し気に立っている。一行は今夜、那須野ヶ原の黒羽町に一泊の予定で、その途中、有名な雲巌寺へ回ってみる積りなので、急流の岸の水車小屋に足を運び、
「ここから雲巌寺まで何里ある」と訊けば、
「二里位だ」と答える。有難し有難し、二里位なら一足飛びだと、くわしく道を聴き、急流に沿うて、或は水を渉り、或は岩角を踰え、漸く道らしい道に出たので、一行は勇気数倍し、髯将軍真先に軍歌などを唱い出し、得意になってだんだん山を降ること一里半ばかり、むこうから樵夫らしき男が来たので、
「雲巌寺へはこの道を行けばいいのか」と訊けば、
「滅相もない。この道を行けば棚倉へ出てしまう。雲巌寺へはズット後戻りして、細い道を右へ曲って行かねば駄目だ」と、悉しく道を教えられて有難いやらガッカリやら。一同はその教えられた通りにまたもや一里半ほど進むと、今度は頬被りの馬士がドウドウと馬を曳いてやって来たので、もう雲巌寺も間近だろうと胸算用をしながら、
「お寺へは何里だね」と軽く訊ねると、
「そうさね、二里半もあろうか」といい捨てて行き過ぎる。
「ハテナ、来れば来るほど道が遠くなるとはこれ如何に」