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とうきょうじんのだらくじだい

東京人の堕落時代

杉山 萠円

「九州日報」1925(大正14)年1~5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页

青空文庫

東京に鬱積した不良性

何事も子供のためにという子供デーなぞが行われた。「子供を可愛がって下さい」というような標語が珍らし気に街頭で叫ばれた。

それまではまだ無難である。

尋常一年生位が遅刻しても、

「まだ子供ですから」

という理由で叱らない方針の学校が出来た。大抵の不良行為は、「自尊心を傷つける」という理由で咎めない中学校が出来始めた。

親が子供を学校にやる時代から、子供が学校に行ってやる世の中になりかけて来た。

先生が生徒に頭を下げて、どうぞ勉強して下さいという時代に変化しかけて来た。

学校へ行くという事のために、子供は親にいくらでも金を要求していい権利が出来そうになって来た。同時に服装の自由はもとより、登校の自由、聴講の自由までも許さなければ、学校の当局がわからず屋だと云われる時勢となって来た。

東京に鬱積した不良性

金取り本位、人気取り専門の私立学校や職業学校、又はその教師たちは、先を争ってこの新しい傾向に共鳴した。前に述べた各種の運動でねうちを削られた官立の諸学校も、多少に拘らず、こんな私立学校とこんな競争をしなければならぬというような気合になって来た。

学生の自由は到る処に尊重された。