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とうきょうじんのだらくじだい

東京人の堕落時代

杉山 萠円

「九州日報」1925(大正14)年1~5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页

青空文庫

それまでは苦しみね。でも今日は十六日でしょう。後五日すぎれば御逢いできるのね。試験がすむと、後はしばらくお休みでしょう。そうなると真琴さんがうらやましくなってしまいますわ……。

御休みになったら、御都合のよい時に春の海……ほんとうに行きましょう。どこがいいでしょう、よろしく願います。

真琴さん。いつも御無沙汰ばかりして済みません。決して忘れているのでは御座いませんのよ。一時だって忘れやしませんわ。けれど悪筆の筆不精故、悪いとは思いながらついサボってしまいますのよ。御免なさい。さらば。

とき子拝

愛する真琴様

……………………

書いた主は職業夫人で、相手は学生? である。文章は雑誌や小説に影響されたところが到る処にあって、調子だけは現代式であるが、最初に出したみつ子のそれのように気持ちまで現代式でもなければ名文でもない。世間なれていて男も珍らしくないらしく、甘い言葉が力なく上辷りしている。職業婦人らしい気の疲れも見える。しかし、男性に誘惑され易い気の弱さがよくあらわれている。そこにつけ込んでいる男の手加減も見すかされるようである。

少女のラブレター(四)