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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
「九州日報」1925(大正14)年1~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页
チンピラの生活
この浅草公園内のチンピラが、いつも四五十人位の範囲で殖えもしなければ、又減りもしない事が、又一つの不思議である。ずっと以前からそれ位居たのであるが、震災当時行って見ると、三四人残って池の中に石を投げ込んでいた。それが今度行って象潟署で聴いて見ると、矢張り四五十人居るという。
不思議といえば不思議であるが、よく調べて見ると成程と思わせられる。
チンピラの生活
このようなチンピラは、親兄弟、身よりたよりは勿論、家も無ければ、名前も持たぬ。友達同志でつけ合った綽名をそのまま自分の名前にしている。着物は大抵夏冬通しの一枚で、裾は膝限りの両袖無しなぞが居る。頭を苅っているのは不良少年の世話だという人もいるが判然しない。片チンバのゴム靴を穿いたり、学校帽の古いのを冠っているのもある。
彼等は方々の料理屋のゴミ溜めを漁ったり、掻っ浚ったりして喰っている。浅草公園界隈には、丁度彼等四五十人を養うだけの残物が年中ある訳で、彼等の人数が殖えも減りもしないのは、そんな原因からに相違ないと見られている。
寝る処は軒の下や木の蔭、石段の上なぞで、大抵仲間と背中をくっ付け合っている。