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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
「九州日報」1925(大正14)年1~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页
第二職業婦人仲介業いろいろ
その大道で秘密に売る普通の美人絵葉書は、大抵一枚七八円から四五円迄ある。黙ってこれを買うと、向うから時間と場所を云う。終夜か半夜かと聞くものもある。聞かぬのもある。
そこへ出かけると、表はつまらぬ家だが、裏には一寸した室が二つか三つ以上ある。そこに控えていると、約束に一分違わず、最前買った絵葉書の主が出て来る。
喰い物や飲みものは出前で取る。火鉢、座布団、その他は、その家から賃借りをする。気の利いた処になると、床の間の掛物、屏風、机、電燈の燭光まで金ずくで、相手が美しいと、総計三十円も奮発すればとても素晴らしい一夜が明かせるという。飽く迄もバラック式の文化式である。
第二職業婦人仲介業いろいろ
この手の商売が絵葉書屋にもある。
記者は東京市中の秘密出版物の景況を探る目的で、絵葉書屋を見当る毎度に飛び込んで、
「男の裸体の絵葉書はないか」
ときいてまわった事がある。その返事は大抵、
「御座いません。その筋が八釜しいので」
という意味のものであった。そこで女の裸体の絵葉書を出していろいろ話していると、秘密画を出して見せるところもあるが、前に説明した高価な美人絵葉書を出して見せるところもある。