轻松读懂日语经典作品
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页
塩分だけが残って、服の背中など真白になる。大陸性気候と言うんでしょうな。経験しないと判らないが、日本の四季のように和やかなもんじゃない。夏冬は烈しいんですよ」
大同で各種兵科の募集があった。城介は加納に相談した。なにしろ二人とも所謂町育ちなので、力仕事には向かない。あまり体力を必要としないのは、衛生兵か縫工兵などである。縫工兵というのは、軍服のほころびを縫ったり、靴の修理をするのが仕事だ。別段経験の有無を問わない。現地でしかるべき教育をしてくれるのである。
「おれは生れつき不器用だからなあ。縫工兵には向かないよ」
城介は言った。
「衛生兵の方がいい。加納。お前も衛生兵の志願をしろや」
そして城介と加納は志望して試験を受け、合格した。他の聯隊からも来たので、二百名ほどが集まった。皆同年兵である。大同の病院で六箇月の修業を受けることになった。修業の内容はほとんどが学科で、体を動かすのは体育訓練のための体操くらいなものである。
「おそらく一番喜んだのは、城介君だったかも知れないですな。彼にとっては初年兵教育がつら過ぎたからね」
加納はわらった。しかし直ぐに笑いを止めた。