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ごくちゅうせいかつ

獄中生活

堺 利彦

「楽天囚人」1911(明治44)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,443 字 · 31 页

青空文庫

五 初日、二日目、教誨師

まず正面の突当りが事務所で、その左右に南監と北監とがある。両監とも手の指を拡げたような形になって五個ずつの監に分れている。すなわち合計十監あって、その一監が、二十幾房かに分れている。それから遙か後ろの方に、七個の工場が並んで立っている。そのほかには、病監、炊所(附、浴場)、洗濯工場などがアチコチに立っている。そしてそれらの建物の間には、綺麗な芝原だの、運動場だのいろいろの畑だのがつくられている。 さて、この監獄が日本第一たるはいうまでもなく、世界中でも何番目という完美を極めたものだそうな。さすが日本はエライもので、監獄までが欧米に劣らぬほど繁昌するのだ。それはともあれ、今の正上典獄というのは、いわゆる文明流のやり方で、この日本第一の監獄に着々として改良を試みているとのこと。

五 初日、二日目、教誨師

予の入れられたのは北監の第六監で、最初の日は懲役七八年の恐ろしい男どもと一しょに六七人である房にいた。甚だおちつかぬ一夜を明して二日目になれば、まず呼出されて教誨師の説諭をうけた。教誨師というのは本願寺の僧侶で「平民新聞というのはタシカ非戦論でしたかな、もちろん宗教家などの立場から見ても、主戦論などということはドダイあるべきはずはないのです。