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ごくちゅうせいかつ
獄中生活
堺 利彦
「楽天囚人」1911(明治44)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,443 字 · 31 页
二 東京監獄
ここでは巡査達も打解けて「なぜ別に署名人をこしらえておかなかったのです」というのもあれば「そんなことをしないところが社会党じゃないか」というものもある。そんなことから暫くそこに社会主義の研究が開かれて盛に質問応答をやったのは愉快であった。
二 東京監獄
それからまた同じ馬車に乗せられて(今度は巡査氏の厚意によってややらくな席に乗せられた)東京監獄に着いたのはちょうど夕暮で、それから種々薄気味の悪き身体検査、所持品検査等のあった後、夜具と膳椀とを渡されてある監房に入れられた。
監房は四畳半の一室で、チャンと畳が敷いてある。高い天井には電灯がともされている。室の一隅にはあだかも炉を切ったごとき便所がある。他の一隅には小さな三角形の板張りがあって、土瓶、小桶などが置いてある。こりゃなかなかしゃれたものだと予は思うた。その夜はそのままフロックコートの丸寝をやった。
二十一日の朝、糒のような挽割飯を二口三口食うたばかりでまた取調所に引出され、午前十時頃でもあったろうか、十五六人のものどもと一しょに二台の馬車に乗せられて、今度は巣鴨監獄へと送られた。
ここでチョット監獄署の種類別を説明しておかねばならぬ。