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きけいのてんにょ
畸形の天女
江戸川 乱歩
「宝石 第八巻第十一号」1953(昭和28)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,893 字 · 35 页
決して漏らさないだろうね。もしちょっとでも人に疑われるようなそぶりをしたら、ふたりの身の破滅なんだよ。わかる?」
「大丈夫よ。おじさんの方があぶないくらいだわ。おじさん、これからどうする? もうこなくなるの?」
畸形少女の洞察力は怖いようだった。しかし、そう切り出してくれたので、話はしやすくなった。
「ウン、とにかく殺人事件だからね、発見されたら大変なことになる。だから、おれはしばらくこないつもりだ。きみは今まで通り学校へ行っていないといけない。なんにもなかったと信じるんだ。おれに逢ったことも忘れてしまうんだ。もし万一、君が疑われるようなことがあっても、こんな小さな子に、あの青年が殺せるはずがないから大丈夫だ。きみは、おれがどこに住んでいるかさえ知らない。だから、いくら問いつめられても、答えられっこない。おれの名前だって、変名かもしれない。おれというものの証拠は、ふたりが別かれてしまえば、何一つ残らないのだよ」
「わかってるわ。おじさんは、ずっとずっと遠くの、あたいたちと違う世界の人だってこと、はじめから知ってたわ。だから、いつか別かれるときがくると思っていた。