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ろんごものがたり

論語物語

下村 湖人

「現代」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,688 字 · 266 页

青空文庫

宰予の晝寢

それ、よくそこいらの若い者たちが歌っている歌に、

3ゆすらうめの木

花咲きゃまねく、

ひらりひらりと

色よくまねく。

まねきゃこの胸

こがれるばかり、

道が遠くて

行かりゃせぬ。

というのがある。あれなども、人間の生命力を信ずる者にとっては全く物足りない歌じゃ。なあに、道が遠いことなんかあるものか。道が遠いといってへこむのは、まだ思いようが足りないからじゃ。はっ、はっ、はっ。」

孔子は、いかにも愉快そうに、大きく笑った。

冉求は、このごろにない朗らかな顔をして室を出たが、その足どりには新しい力がこもっていた。

1 子曰く、人の己を知らざるを患えず、其の能くすることなきを患うるなりと。(憲問篇)

2 子曰く、剛毅木訥は仁に近しと。(子路篇)

子曰く、仁遠からんや。我仁を欲せば斯に仁至ると。(述而篇)

3 唐棣(とうてい)の華、偏としてそれ反(ひるが)える。豈に爾を思わざらんや。室是れ遠ければなりと。子曰く、未だ之を思わざるなり。夫れ何の遠きこと之れあらんやと。(子罕篇)

宰予の晝寢

宰予昼寝ぬ。子曰く、朽木は雕るべからざるなり。糞土の牆はるべからざるなり。予に於て何ぞ誅めんやと。