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こんじきのし
金色の死
谷崎 潤一郎
「東京朝日新聞」1914(大正3)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,997 字 · 46 页
Zustande zu erblicken. Sie h※(ダイエレシス付きO小文字)rt ihn zuerst ※(ダイエレシス付きA小文字)chzen, oder sie sieht ihn schon tot. ―――希臘のラオコオンの彫刻を見ると彼は蛇に絡み着かれて唯纔に嘆息して居るばかりである。其の表情は悲しげであるが静かである。決して顔を歪めたり苦悶の叫びを発したりしては居ない。けれども其の彫刻に接すれば、十分に彼の絶望的な苦痛を想像する事が出来る。之に反して若しラオコオンが激しい叫喚の声を放って、極端な苦悶の表情を示して居たなら、彼の彫刻は全然余韻を失って了う。見る人の想像力は彫刻の外へ一歩も踏み出す事が出来ない。唯ラオコオンの呻吟するのを聞き、既に死なんとするのを見せられるばかりである。斯くの如く、凡て強烈な刺戟を避けて、想像の余地のあるような刹那を現したものが、レッシングの所謂『含蓄ある瞬間』なのだ。此の理屈で行くと、人間の死んで了ったところなどは絵にも彫刻にもめったに作れない事になるね。先も云った通り、美感を味うのに前後の事情などを了解する必要は少しもないんだ。