轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
227 怪盗系図
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 157,440 字 · 313 页
「呆れてばかりいずに、わけを話してくれ」
八五郎は四方をキョロキョロ見廻しておりますが、その辺にはもうこの狂言を書いた、作者らしいのは一人もいず、お雪はただひたむきにあきれて、暫らくは言葉も出ません。
「今朝知らない女の人が来て、銭形の親分のところに今日は昼ごろからお客様があるから、この着物を着て手伝いに来てくれというんでしょう――どうせ私は着物らしい着物はないでしょう、その女の人のいう通りになって――ここまで一緒に来たんですが」
「それはどんな女だ、若いか年寄りか」
「二十五、六のきれいなお内儀さんでしたよ、――ここまで来ると、今行っちゃまずいから暫らく待ってくれといって、天水桶の蔭へ私と並んで立って、お天気の話や町内の人達のうわさやら、とりとめもない事を話していましたが、親分が来るちょっと前、何処かへ急いで行ってしまいましたよ」
「お前を脅かしやしなかったか、匕首なんか突きつけて」
「まア、そんな事、――それはそれは暢気な話ばかりでしたよ」
この孝行娘は十分に賢こかったにしても、自分がどんな役目を勤めたか、もとより知る由もありません。
八五郎はお雪を引っ立てるように、もとの平次の家へ帰って来ました。