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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
227 怪盗系図
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 157,440 字 · 313 页
邪恋の果
不敵の予告
銭形平次はニヤリニヤリと笑いながら、物々しくもその辺中を片づけ始めたのです。
「まア、相変らず八さんは元気ねエ」
女房のお静も面白そうに眺めております。
「格子戸へ頭突きをくれて、クルリと廻ってバアと入るなんざ、よっぽどイキの良い人間でなきゃ出来ない芸当だよ」
「親分落ちついていちゃいけねえ、八丁堀は煮えくり返る騒ぎだ」
八五郎は委細構わずわめき立てるのでした。
「ヘエ、八丁堀が煮えくり返りゃ、築地あたりは煮えこぼれるだろう」
平次はまだ茶にしております。
「生き残りの斑組の首領が、八丁堀の組屋敷へ果し状を付けたんだ、――こいつは驚くでしょう、親分」
「驚くよ八。驚くからその障子へ拳固を叩きつけるのだけは勘弁してくれ。風通しがよくなって、晩のお菜まで往来から見通しだ」
「ヘッ、呆れ返るぜ親分。親分が謎々を解いて、漸く見つけてやった一万両の小判を、与力衆から尾張の御留守居へ申し入れると、――それは千万辱けない、明日正午刻(十二時)当方から受け取りに参るで御座ろう――と来た。恐ろしく安値な挨拶だぜ」
「それはそうだろうとも、自分の物を自分のところへ引取るんだもの。