轻松读懂日语经典作品
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1957(昭和32)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,480 字 · 67 页
六
すると外から娘が一人はいって来て、「あたしが手伝いますわ」と云った。みんなそっちを見、久兵衛が眼をみはった。
「おゆう、おまえなにを云うんだ」
それは福田屋久兵衛の娘、利吉の妹のおゆうであった。おりつより年は一つ下であるが、商家そだちに似あわず、きかない気性と縹緻よしとで、以前から町内ではめだつ娘であった。
六
「あたしは一日じゅう手があいてますから、昼間だけここへかよって来ます」とおゆうは父に構わず続けた、「それでも不足なときは下女だっていますし、自慢のように聞えては困るけれど、読み書きぐらい教えられますから」
脇にいたかしらの勘助は「よう」とでも声をかけたそうな顔をした。
「いや」と茂次が首を振った、「おゆうちゃんにそんなことをしてもらわなくっても、手が足りなければこっちで人を雇うよ」
「恩にきせるとでも思うの」とおゆうは茂次を見あげた、「あたしは罪ほろぼしのつもりよ」
「おゆう」と久兵衛が云った。
「この町内で焼け残ったのはうち一軒よ、塀をちょっと焦がしただけで、うちはまるまる焼け残ったし人もみんな無事だったわ、おまけに父は町役を勤めているんですもの、本当ならそういう子供たちはうちで引受けるのがあたりまえよ」