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ヨブきこうえん
ヨブ記講演
内村 鑑三
丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页
牛と牝驢馬全部及び僕若干、羊全部と僕若干、駱駝全部と僕若干、子女全部、健康、妻と六回に分ってこれらを失ったのである、第四以下の艱難の如きはかなり手痛きものであり、第六の如きはその最たるものであった。けれども禍はなお六に止まっていた。もし更にこれに加えて第七の災来る時、ヨブの艱難はその極に至るのである。そしてもしなお来るべき艱難があるとすれば、それは友の離反である。ある場合において妻よりもなおよく人の心を知るものは真の友である。妻が彼を解し得ざるも友が彼を解し得ば、宇宙間なお一点の光が残るのである。もしこの最後の光まで失せ去った時はすなわち第七の艱難が臨んだのであって、ここに艱難はその完全に達し、宇宙は暗黒となるのである。
◯ヨブの曩の地位を以てしては、彼はむしろ友の多きに苦しんだであろう。しかしこれらの友は皆彼の零落と共に彼を離れたであろう。けれども彼は、少くともエリパズら三人は彼の心を解し得ると思っていたに相違ない。案の如く三人は遠きを厭わずして彼を見舞うべく来た。すべての人に棄てられたるヨブは、いかに三人の来訪を歓んだであろうか。遥かに三友を望みし時、彼の心は天にも昇るべく躍ったであろう。