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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

そうしたら批評家がたいへん喜んで、「あいつのいうことは全く出鱈目だ。人間は必ず死ぬというかと思うと、すぐその後で、人間は永久に死なないといっている。読者をだましているか、あるいはからかっている。からかうにしては、たちのよくないからかい方だ」と、大いにたたいたそうである。

これは一つの笑話である。たいていの人は、笑話にもならないくだらない話と思う。しかし人間という言葉にいろいろな意味のあることを知らない人たちには、この批評家の言が、立派な議論と聞えるであろう。そして厄介なことには、「あいつは人間でない」という言葉を、「あいつは魚である」という流儀に解する人が、現在の日本では、案外に多いようである。

こういう妙なことを書くのは、これも私の『日本のこころ』に関係のある話なのである。日本で一流の大新聞社の出しているある週刊誌の書評に、『日本のこころ』から次の三つの言葉をぬき出して、その矛盾を論じている文章が載ったので、実はびっくりしたのである。日本の文化の一般の水準は、案外こういうところに現われているように思われるので、その資料としてとり上げてみることにした。