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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

という意味である。

第三は「人間の作った科学は、現在では人間よりもずっと強くなっているから、人間の感情などは簡単に踏みつけて前進するであろう」という言葉である。これは「水爆と原爆」という題の文章の最後につけ加えたもので、この方は説明を要しないであろう。

ところで、以上三つの文句を、私はちゃんとしたつらなりがあるものと思っていた。少なくとも私の頭の中では、これらの間に矛盾は感じていなかった。ところが、前にいったある週刊誌の評者には、これが非常な矛盾に感ぜられたというのである。世の中は広大なものと少々驚くとともに、これは一応考えてみる必要がある問題と思った。

その評者の意見によると、第一の言葉、即ち「科学は良識の精髄である」というのを肯定すると、第二は「もはや日本は良識を必要としない国だと、見下げ果てられたわけである。だが疑問は消えない。科学が良識の精髄だというなら、良識ぐらいはいかに日本でも必要であり、活用も出来るだろうにと思う」ということになるのである。第三の言葉からは「人間の良識が、人間を簡単に踏みつけて前進するとは、どういうことだろう。いよいよ判らなくなってしまう。