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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

なかなか楽しみでもありかつ厄介でもある。

露伴の最後の言葉「じゃあ、おれはもう死んじゃうよ」というのは、小宮さんが驚かれただけではなく、たしかに注目に値する言葉である。古来の達人傑士の臨終の様子を詳しく研究しておられる亀井(勝一郎)さんも、ああいうことをいった人はいなかったようだと、大いに瞠目しておられるようである。我流の解釈をすれば、あれは「おれはもう寝るぞ」というのを、一廻り大きくしたもののように思われる。一日中忙しい用事がたくさんあって、それらが一応巧く片附いて、草臥れはしたが、気持よく草臥れたという日には、たいていの人が、夜は「じゃあ、おれはもう寝るぞ」といって床にはいる。そして明日起きてからのことに考えをめぐらすこともせずに、満ち足りた気持でぐっすりと寝入る。露伴の最後の言葉は、丁度これに相当するのではなかろうか。それだとすると、人間この境地に達するには、どうしても八十五歳ぐらいまでは、働かねばならないようである。しかも働き甲斐のある働きをしなければならない。神仙道もなかなか楽な道楽ではないことになる。

『日本のこころ』を出して、一番嬉しかったのは、前にも書いたように、『あるびよん』