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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
それよりも何よりも、何だか自分のうちの座敷の畳の上に、泥靴のままはいってこられるような気がして、どうにも我慢が出来なかったんだ。先生には御気の毒だったが。僕は我慢が出来なかったのだ」と、非常に真面目な顔付で述懐された。
両先生とも故人となられた今日では、こういう話を書いても、大したさし障りもないであろう。御存命中には、こういうことを書かないのが礼儀なのである。
この話は、真理のための戦士としての寅彦が、あの先生の謙虚さの奥に、潜んでいたことを示す一つの好例であろう。「実際寺田さんには、懐に匕首をのんでいるといったような、凄味を帯びた所が、あの暖かな奥の何所かにあった。それは、うかうかした事を言おうものなら、すぐ横っ面をはりとばされそうな、それでいて当人はおよそそういう事とは縁の遠い、善良な意志しか持っていないというような、不思議な感じである」と小宮さんは書いておられるが、先生の真理と正義とに対する劇しい情熱は物理学だけに限らず、人生そのものに対して燃え立っていたように思われる。
それから最後に、この話を今まで何人かの友人にしたが、たいていの人は、「寺田先生も傑かったが、やっぱり長岡先生も傑かったなあ」