轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
六 恵みの台風
そのことをもって、科学の力でこの国難的大問題を解決すると解釈するのは、科学への冒涜であるといえないこともない。相変らず、ポスターと文字、即ち命令と宣伝の力だけで、自然現象の対策を講じようとしているものといわれてもいたしかたがないであろう。
何十の委員会をつくっても、日本人の洪水についての知識は一歩も向上しない。そのよい例が昨年のルース台風である。昭和二十六年の秋に日本を襲ったこのルース台風は、まことに奇妙な待遇を受けた。即ち「歓迎」された台風なのである。同時に、この台風を迎えた日本人の態度が、水に対する現在の日本の知性を代表するもののごとく思われるのである。
六 恵みの台風
ルース台風は、いわゆる歓迎される台風という不思議な取り扱いを受けた台風である。恵みの台風という言葉は、この時はじめて出来た言葉である。
夏からの電力飢饉がだんだん深刻化してきて、各種の生産工場はまさに土壇場まで追いつめられたかたちになっていた。この電力飢饉の原因は、この年は夏以来、台風が珍しく来なかったために、雨量が少なく、従って水力発電量が著しく減少したことが一番主な原因であった。