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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
しかも最近の研究によると、それはその言葉だけの意味では、一つの迷信であるらしいことがわかったので、実は私たちも唖然としたくらいである。もちろん伐木のために山が荒れ、それが間接に洪水の原因となることは、三千年の昔、中国においてすでにわかっていることである。そういういわゆる大乗的な表現は、科学の言葉ではない。伐木が洪水の直接原因であるというならば、その言葉からすぐ次の法則が出てくるはずである。即ち木を戦前の状態に植えれば、洪水は止まるという法則である。しかしそれは議論の余地なく、とうてい考え得られないことである。これほど荒廃した河川は、単なる植林だけによってその生命を取り戻すものとは考えられない。もちろん濫伐は差支えないというのではない。木を植えることは、森林資源の確保の上からも、また長期にわたる治水の上からも、非常に大切なことであって、そのこと自身には問題がない。
ただ植林の必要性は十分に認めながら、一方河川の治療をいかにすべきかの道を、見出さなければならないという意味なのである。
洪水の科学的対策というと、とかく日本では、瀕死の貧乏国のくせに、アメリカ流の豪勢な対策の形ばかりを真似た理想案を立てることを、科学的と思い勝ちである。