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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

「学業の方では他の子供に譲らぬ程にやって、その点では校長にも喜ばれた。学課は算術、歴史、地理その他にラテン語等があった。しかしとにかく十一歳から十四歳までの間、一番勉強しなければならない時に外国にいて、日本の学問は何も出来ていないのだった」。その点を十四歳の牧野さんが「自分でも気付き」帰国することになった。

帰国したのは、明治七年であった。その時には、東京には後の東京帝大の前身たる開成学校が既に開かれていて、そこへ入学した。注意すべきことは、牧野さんは、予備科を終ってから、文学部の和漢文学科へ進まれたことである。当時の開成学校の授業はほとんど全部英語で行なわれていたので、米国で正式の中学教育を終えた牧野さんにはきわめて楽であった。それで「日本の学問は何も出来ていない」のを補うために、和漢文学科を選んだのである。英語が出来るから貿易科を選ぶというようなのとは、根本的に考えがちがっていた。

開成学校での勉強は、五年間つづいた。そして「十九の時に、まだ大学だったが、漢学も人並かと信じ、もう一度海外へ渡って外国の様子を見てきたい」と思われた。それで外務省の書記生になって、倫敦へ在勤した。