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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

そういう意味では人間の死は文字通りに絶対であって、死んでしまえば何もかも無くなるのである。即ち死にとっては全宇宙が無である。全宇宙が無になるような問題に対しては、人間のあらゆる学は、全然無力である。そこに宗教、もっとはっきりいえば、広い意味での宗教というものが登場してくる余地がある。生を意識して死を克服する術も、生も死も意識しない術も、この意味ではともに宗教の問題である。

ところで露伴先生の「じゃ、おれはもう死んじゃうよ」は、どういう宗教から出た言葉であるか。それは一応考えてみる価値のある問題であろう。この場合、幸田家が仏教であるかキリスト教であるかというようなことは、全然問題にならない。露伴先生の生死観が、何で鍛えられたかということだけが問題である。この問題を解決するには、まず露伴先生の書かれたものを全部読んで理解し、かつ先生の言動を逐一知らなければならない。そういうことは、もちろん不可能である。しかしそうかといって、全然投げてしまうには惜しい問題である。それできわめて乏しい露伴学の知識をたよりに、この問題を少し考えてみよう。

初めにお断りしておくが、私は露伴全集をまだ全部読んでいない。