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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
。そしてこのあけがた、先生は文さんに「じゃ、おれはもう死んじゃうよ」といわれ、文さんは「父はかならず死ぬ」ときめた。
こういう時の情景は、眼で見たこと、皮膚に感じたことを記述しただけでは、いい現わし得ない。感じながらも、とらえんとすれば痕かたのないものである。唯文さんの文章全体の中に、それが感ぜられるだけである。『周易参同契』の中に、「太陽流珠、常に人を去らんと欲す」という文字がある。露伴先生の解によれば、琉珠というのはこの場合は脳を指している。「人の霊作用が、常に外界内界に応酬して、その円妙精美のものを発揮し去り流動し去り消耗し去らずには居らぬところを、流珠常に人を去らんと欲すと云つたのである」。
「流珠常に人を去らんと欲す」を、言葉で説明することは出来ない。説明というからには、広い意味での論理の形式をとらなければならない。しかし自己の生命を少し内省してみれば、それは論理の形式で説明し得るものでないことは、誰にも感得されるであろう。十九世紀の末、自然科学の急激な発達に陶酔した人たちの中には、単純な機械論で、生命現象の全説明が近い将来においてなされるものと信じた人もかなりあった。