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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
灌漑溝と水利権とは、畑についていて、それが畑の値段をきめる主な要素になっている。たいていは湖のような大きい貯水池をもっていて、普段は川から直接に水を取っているが、渇水期には、この貯水池から取る。当然なことではあるが、それがちゃんと出来ている点がいい。
ところで、畑の畝間にそれを引くとすると、前にもいったように、畑の勾配が、正確に一定になっている必要がある。そして上手の畑のふちに沿って、灌漑溝の分岐溝を作っておく。この分岐溝は、たいていは一インチ厚くらいの木の板で作り、平生は水を通しておかない。幅は一尺五寸くらい、深さも大体その程度である。二日か三日に一回、この分岐溝へ灌漑溝から水を引いて、畝間の溝の一本一本に水を入れる。畑の畝は分岐溝に直角になっていて、真直に二町か三町くらい続いている。一枚の畑は、幅が四十間から五十間くらい、長さが二町から三町あって、縦にずっと畝が通っているわけである。
畝間の距離、即ち畝幅が問題であるが、日本のように畝幅が一尺とか一尺二寸とかいうのでは、その間に水を引くことはむつかしい。ここではたいていの作物、トマトとかレタスとか胡瓜とかいうものは、畝幅が四フィート(ほぼ四尺)になっていて、株間も四フィートというのがきまりのようである。