轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

珊瑚といっても、珊瑚礁を作る連中の仲間で、もちろん真紅の本珊瑚ではない。ごく少しばかりの褐色を帯びた白い色をしている。細く枝わかれしたその白い灌木の間に、褐色の海藻が群生している。海藻の知識がぜんぜんないので、種類は全くわからないが、形はどれもてんぐさに似て、細い糸屑の束のような姿である。色はとりどりに違っているので、少なくとも三種類はあるのであろう。ただ違った色彩といっても、いずれも白褐色の系統で、その褐色の程度に幾分の差があり、それに黄色か赤色かが、少し加わっているくらいのちがいである。昆布のような形の藻も、二、三本視野の中に見えるが、これは少し濃い褐色である。長さは三尺ぐらい、北海道の海辺で見る昆布の半分もない。

こういう海藻類も、空気中に引きあげてみれば、それぞれもっと違った色に見えるのであろう。しかし海底では、どれもだいたい似た色彩に見える。一面に薄靄のかかった一様な調子である。これに似た景色を前に見たような気がちょっとしたが、それは錯覚であって、この景観の記憶は、ヨーロッパの古城に秘められた古いゴブラン織の思い出である。本来けばけばしい色彩を嫌った貴いゴブラン織の壁掛が、長い年月のうちに次第に色があせて、一様に薄い黄褐色の調子を帯び、独得の美しさを呈している。