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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
こういう化学変化が、「神武天皇」以前の古代中国において、既に知られていたということは、驚くべきことであり、またいかにしてこういうアルケミィが、その時代に出現したかは、依然として謎である。しかしいずれにしても、こういう化学変化に対して、古代人が素朴な驚異感を抱いたことは、当然であろう。この神秘感から、丹は凡常を超絶するものという意味に展開され、長生不死の仙界に入りたいという原始的な慾望と結びついて、仙丹、神丹、金丹、煉丹、服丹、餌丹などという言葉が生まれてきた。
仙丹神丹は、霊異の薬物という意味に用いられ、あるいはそれを用いて不老長生の神妙の方術を得る道とも解せられた。金丹は老子が元君から受けたものとされているが、黄金の不朽の生命を表象するものとも、またアマルガム法によって金を精錬する法とも解せられる。不老長生と黄金とは、人間の慾望の二つのあらわれであって、古代人の頭脳の中では、その分離がはっきりしていなかったのであろう。西洋中世のアルケミィにも、同じようなことがある。服丹餌丹は、丹の成ったものを服餌する法であって、最も素朴な考え方である。もっとも丹の成ったものを服したら、嚥下すると同時に忽ち死んだという話も残っている。