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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

この神仙思想は、きわめて特異な原始宗教であって、その源は、遠く西紀前五百年、老子の思想に発している。老荘の思想と、神仙道と、道教とは、とかく混同されやすい。というよりも同じもののように思われがちである。しかし老荘の思想は哲学であって、宗教ではない。荘子が藐姑野の神人に言及していても、何も肉体的な不老長生の術などを説いてはいない。

後世にいうところの道教は、宗教であるが、これは老子から七百年もおくれて、後漢の中期に至って、張道陵によって初めて唱えられたものである。西紀一四二年、張道陵が蜀に起って、老子の示現授道を得たと称して立てたものが、即ち道教なのである。面白いことには、魏伯陽が『参同契』を著わして、丹道の祖となったのも、ほぼ西紀一四五年頃と推定されている。ほとんど同時に、張は西北方において道教を、魏は東南方において丹道をと、それぞれ周孔以外の異教を立てたのである。

神仙道が最も栄えたのは、張の道教創始以前である。方士たちが、不死の霊薬を得んとして、各地に神仙を索めたのは、秦皇漢武の時代から盛んになったので、張道陵よりも、四百年も以前のことである。