轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かずえはいそがしい

主計は忙しい

山本 周五郎

「奇譚」1940(昭和15)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,315 字 · 37 页

青空文庫

「慥か江の島見物にゆくと云った、それも明日だったように思うが」こう呟いて、空を見上げる、「――そうだ明日だった、なにもかもいっしょくただ、極上飛切り掛値なしの吉日なんだな、しかし、――うん、なにか頼まれた、留守のあいだになにかやっておいてくれと、……なんだっけ、はてなんだっけかしらん」

暫く考えたが思いだせなかった。しようがない訊いてみようと思い、躯を拭いて着替えをすると、庭をまわって奥へいった。――折江は広縁でばあやの松乃といっしょに、なにか着物を取出して見ているところだった。

「旅のおしたくですか、これから稽古に出ますがなにか外に御用はありませんか」

「そんな心配は結構でございますよ」松乃が笑いながら答えた、「――牧野さまはそうやってしなくともよい用事を御自分から買って出ていらっしゃる、それでは幾つお躯があっても堪りませんですよ」

「なに用事はついでのある者がすればいいのさ、それからあれです」主計はさりげなく折江に呼びかけた、「――その、昨日お話のですね」

だがそのとき、向うから弥一郎が顔色を変えて走って来た。

「牧野さん来て下さい、大変です」

「大きな声をだすな、なんだ」