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なんきんむしさつじんじけん
南京虫殺人事件
「キング 第二九巻第五号」1953(昭和28)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,660 字 · 26 页
殺されていた奈々子
殺されていた奈々子
翌日、非番の波川巡査はミゾオチを打たれた痛みもあって、午すぎも寝ていた。すると、飛ぶように戻ってきた百合子に叩き起された。
「大変よ。比留目奈々子が殺されたのよ。殺されたのは昨夜です。あの二人が犯人よ」
波川は痛みも忘れて跳び起きた。
百合子も下アゴを打たれて唇をきり、アゴが腫れて、美人婦警も惨たる面相。人に顔を見せたくないから休みたかったが、昨夜の報告があるので、署へでてみると、奈々子殺し発見の騒ぎである。
「犯人の顔を見たのはお父さんだけですから、すぐ来て下さいッて」
「あの二人が犯人ときまってるのか」
「確証があるらしいわ。ほかに、いろいろ重大なことが判ったらしいの。殺された奈々子は意外の大物らしいんですって。暗黒街の謎の女親分ミス南京」
「本当か」
ミゾオチの痛みも吹ッとび、波川はいそいで服を着た。
そのころ、東京横浜を中心に、大口の南京虫の密売者が現れた。これが凄いような絶世の美女だ。秘密に指定した場所へいずこからともなく現れて、無造作に大量の南京虫をバッグから取りだし、金とひきかえて、消え去ってしまう。その身辺には二人の護衛の若者がついていて、取引の終るまでピストルに指をかけて見張っている。