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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页
(面白そうに騒いでおるが――わしには、一日も、ああいう日は無かった。斉興公も、近頃は、政務を疎んぜられてきたが、御無理もない。わしも、心から、疲れたと思う。然し、斉興公が御怠慢なら、わしは、その分も、自分でしなければならぬ――ただ、時世が、違って来たのか? 人間が変ったのか? ここ十年の内に、ひどく仕事がし難うなった。斉彬公のなさることは、半分はわかる。いい仕事にはちがいない。然し、その仕事にかかる金子の作り方を御存じない。いつだか、いい仕事は、金子を産む、と仰しゃったが――それは一理だが――すでに、重豪公がいい仕事をなすって、金子を産まなかった例がある)
調所は、斉彬の、明敏に敬服していたが、一藩の主としては、久光の大過なき点の方がいいと、信じていた。そして、久光擁立に賛成した。
「只今は、何うも、大変、お騒がせ致しまして申訳もござりませぬ」
宿の番頭が、襖から、謝りに来た。
「よいよい、気に致すな」
「有難う存じまする」
調所は、番頭が立去ると、いつも思い出すように、二十年前、同じ宿で、呼んでも、女中さえ来なかった貧しい旅を思い出した。
(江戸と、京と、大阪の御金蔵には、百万両ずつの金がある。