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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

小太郎も、益満も、七瀬の顔を、じっと眺めた。

「五臓の疲れじゃ。埓もない」

八郎太は呟いた。

「何うした事が?」

「幻のような人影が、和子様へ飛びかかろうとして、それが現れると、和子様はお泣き立てになりましたが、それが、どうも、牧様に――ただ齢が、五つ、六つもふけて見えましたが――」

益満は、うなずいた。小太郎は、益満の眼を凝視していた。その小太郎の眼へ、益満は

(そうだろうがな)

と、語った。

「聞き及びますと――」

益満は、膝の上に両手を張って、肩を怒らせながら、八郎太から七瀬を見廻して

「当家秘伝の調伏法にて、人命を縮める節は、その行者、修法者は一人につき、二年ずつ己の命をちぢめると、聞いております。その幻が、牧仲太郎殿に似て、四十ぐらいとあれば――牧殿は――」

益満が指を繰った。八郎太が

「牧殿は、七八であろう」

益満は、腕を組んで俯向いていたが

「牧殿は、お由羅風情の女に、動かされる仁ではござるまい――小父上」

「うむ」

「さすれば――」

そういって、益満は、黙ってしまった。一座の人も俯向いたり、膝を見たりして、黙っていた。

「斉興公が」

小太郎が、当主の名を口へ出すと共に、八郎太が