轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなはおなじものがたり

女は同じ物語

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1955(昭和30)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,279 字 · 44 页

青空文庫

彼はそう思った。温雅という言葉の正しい意味はべつとして、彼にはそういう感じがしたのであった。ちょうど薄着になったときで、彼女の躯のしなやかさや、弾力のある軟らかなまるみやくびれが、美しくあらわれていた。それまで眼を向けたこともなかったので、広一郎には特に新鮮で好ましくうつったようであった。

それからまもなく、彼は紀伊の肌が白いのに気づいた。非番の日で、彼は机のまわりの掃除をし、筆や硯を洗うために、紀伊に水を持って来るように命じた。彼女は金盥と筆洗を運んで来たが、そのとき襷をかけていて、両方の袖が高く(必要以上に)絞られ、殆んど腕のつけねまであらわになっていた。

広一郎は眩しそうに眼をそらした。薄桃色を刷いたような、あくまで白いそのあらわな腕の、溶けるような柔らかい感じは、たとえようもなく美しく、つよい魅力で広一郎をひきつけた。彼は眼をそらしながら、自分の胸がときめいているのを感じた。

七月になると、彼は紀伊の声がやわらかく、おちついて、きれいに澄んでいることを知った。そして、彼女のきりょうのよさ、――彼女が縹緻よしなことを発見したとき、広一郎はわれ知らず眼をみはった。