轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
「学問のすすめ」1872(明治5)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 页
その心中を形容すれば、かつて人に金を貸さずして返金の遅きを怨むものと言うも可なり。
儒者は己れを知る者なきを憂い、書生は己れを助くる者なきを憂い、役人は立身の手がかりなきを憂い、町人は商売の繁盛せざるを憂い、廃藩の士族は活計の路なきを憂い、非役の華族は己れを敬する者なきを憂い、朝々暮々憂いありて楽あることなし。今日世間にこの類の不平はなはだ多きを覚ゆ。その証を得んと欲せば、日常交際の間によく人の顔色を窺い見て知るべし。言語・容貌、活発にして胸中の快楽外に溢るるがごとき者は、世上にその人はなはだまれなるべし。余輩の実験にては、常に人の憂うるを見て悦ぶを見ず、その面を借用したらば不幸の見舞いなどに至極よろしからんと思わるるものこそ多けれ、気の毒千万なる有様ならずや。もしこれらの人をしておのおのその働きの分限に従いて勤むることあらしめなば、おのずから活発為事の楽地を得て、しだいに事業の進歩をなし、ついには心事と働きと相平均するの場合にも至るべきはずなるに、かつてここに心づかず、働きの位は一におり、心事の位は十にとどまり、一にいて十を望み、十にいて百を求め、これを求めて得ずしていたずらに憂いを買う者と言うべし。