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がくもんのすすめ

学問のすすめ

福沢 諭吉

「学問のすすめ」1872(明治5)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 页

青空文庫

仏書に罪業深き女人ということあり。実にこの有様を見れば、女は生まれながら大罪を犯したる科人に異ならず。また一方より婦人を責むることはなはだしく、『女大学』に婦人の七去とて、「淫乱なれば去る」と明らかにその裁判を記せり。男子のためには大いに便利なり。あまり片落ちなる教えならずや。畢竟、男子は強く婦人は弱しというところより、腕の力を本にして男女上下の名分を立てたる教えなるべし。

右は姦夫淫婦の話なれども、またここに妾の議論あり。世に生まるる男女の数は同様なる理なり。西洋人の実験によれば、男子の生まるることは女子よりも多く、男子二十二人に女子二十人の割合なりと。されば一夫にて二、三の婦人を娶るはもとより天理に背くこと明白なり。これを禽獣と言うも妨げなし。父をともにし母をともにする者を兄弟と名づけ、父母兄弟ともに住居するところを家と名づく。しかるに今、兄弟、父をともにして母を異にし、一父独立して衆母は群を成せり。これを人類の家と言うべきか。家の字の義を成さず。たといその楼閣は巍々たるも、その宮室は美麗なるも、余が眼をもってこれを見れば人の家にあらず、畜類の小屋と言わざるを得ず。